経済同友会設立趣意書
1946年4月30日
日本はいま焦土にひとしい荒廃の中から立ち上ろうとしている。
新しき祖国は人類の厚生と世界文化に寄与するに足る真に民主々義的な平和国家でなければならない。
日本国民は旧き衣を脱ぎ捨て、現在の経済的、道徳的、思想的頽廃、混乱の暴風を乗切って全く新たなる天地を開拓しなければならないのである。これは並々ならぬ独創と理性と意力と愛国の熱情とを要する大事業である。
われわれは経済人として新生日本の構築に全力を捧げたい。而して、日本再建に経済の占める役割は極めて重要である。蓋し経済は日本再建の礎石であるからである。われわれは日本経済の再建を展望しつつ惨たる荒廃の現状を顧みて責務の重大なるを痛感する。
今こそ同志相引いて互に鞭ち脳漿をしぼって我が国経済の再建に総力を傾注すべき秋ではあるまいか。
本会は日本経済の堅実なる再建を標榜する中堅経済人有志の機関であるが、その立場はあくまで経済職能人もしくは経営技術者としての立場を採る。従って政治的立場は無色である。
われわれは何れの政党からも自由であるが、しかし職能人として政策には関与する。而して各政党の経済政策が洵に貧困を極めている現状において、日々の生産に足場を持つ職能人の経験と知識が国の施策に充分生かされなければ日本経済の秩序ある再建は覚束ないと云える。なお、この点について本会は中央経済団体と緊密な連繋を執り充分に協力して行きたい。
本会は他面、会員が相互に啓発し合い切磋琢磨する教室でもあり、また気楽に親交を温める倶楽部でもある。
経済同友会の基本的態度
1. 民主政治の擁護
2. 経済界の自主性の確立
3. 国民政治の安定と進歩のため、自由公正な批判と実践
4. 社会公共に対する企業責任の明確化
5. 経営者の同志的結合の強化と、次代経営者の養成
6. 生産性向上に同意する労働者との協力
7. 各界の良識ある指導層との接触協力
8. 国際経済交流を通じ、民間経済外交の推進
9. 地域経済の開発振興に努力
千葉県経済同友会設立趣意書
1973年7月2日
現下のわが国は、福祉社会の現実という新たな進歩への秩序を求めて大きく転換の時期を迎えている。この時にあたり、我々千葉県内の経済分野に携わる同志あい集い、経済人としての経験と知識を生かし、時代の要請する福祉社会の形成に参画すべく、ここに千葉県経済同友会を結成した。
本会は社団法人経済同友会をはじめとする各地区30経済同友会の全国組織の一環をなす団体として、各公共機関、経済団体等とも密接に連絡をとり、同友会の内外におけるそれぞれの活動と、自由闊達な意見交換、調査研究、政策提言、企業経営における実践を通じて、広く地域社会の発展のために貢献していきたい。
本会はこの見地から、千葉県という伝統ある地域性に密着した新しい地域コミュニティの形成、豊かな環境資源の保全、さらには社会開発、消費者・地域住民とのコミュニケーションの拡充等を通じて、現代における社会進歩の目的たる福祉社会の形成に向って積極的にとり組んでいくものである。
他面また会員が相互に啓発し合い、切磋琢磨する道場でもあり、気楽に親交を温める倶楽部の性格をも兼ねそなえる。