道徳の授業
個人的な内容で恐縮ですが、先日、小学校高学年の子供の授業参観に出席しました。
科目は道徳。あるお話を題材にして、「みんなどう思う?」というスタイルで授業が展開されていましたが、子供たちの反応が非常に新鮮でした。
お話の内容ですが、主人公は2人の小学校高学年の女の子。一人は来週、県外に引っ越すため、みんなとお別れすることが決まっています。もう一人の女の子は、その引っ越してしまう子の親友。クラスの学級委員長を務めています。引っ越してしまう子が学校を休んだ際、クラスみんなでお別れ会をやろうという話になりました。出し物やプレゼントを用意する話になり、係ごとに分かれて作業を行うこととなりましたが、引っ越す女の子本人には「絶対内緒にしよう!」というサプライズで用意することになりました。
翌日、引っ越してしまう女の子が学校に来ると、みんなよそよそしく、陰でこそこそと何かをやっています。そんな姿を見て、違和感を覚えた彼女は、疎外感を覚え、一体何かと周囲に聞きますが、誰も、何も教えてくれない。親友の学級委員長の子に「みんな一体どうしたの?」と詰め寄りますが、親友は「何でもないよ!」と走り去ってしまう…そんなお話しでした。
子供のクラスでは、「本人に言うべき」派、「このまま隠し通すべき」派に分かれ、各派からの意見表明が行われました。担任の先生は、「正解はないから、みんな自由に考えて、自由に発言してね」と発言を促していました。印象としては、「このまま隠し通すべき」派が7割でしょうか(私の予想より多かった…)。
ここで、先生から一言。「そもそも、このお話の中のクラスの子たちは、何がしたかったんだっけね?もう一度、そこを踏まえて考えてみようか」と促したうえで、「隠し通すべきだけど、〇〇もすべき」というスペシャルルールも導入され、また様々な意見が…
道徳の授業は、望ましい回答こそあるかもしれませんが、真の意味での正解はなく、十人十色の感想があっていい、という点が、他の科目にはない特徴ですね(それだけに授業参観も面白かったです)。
そして、子供たちに「そもそもの目的、なんだっけ?」と物事の本質を考えるよう仕向けた(?)先生の仕事は、指導・育成のプロだなーと思ってしまいました。
とても勉強になりました。