★「千葉県の30年後の将来像~自然災害・コロナ禍を踏まえた追加提言~」記者Q&A

7月28日、佐久間・白鳥両代表幹事、水野副代表幹事が千葉県庁を訪問し、「千葉県の30年後の将来像~自然災害・コロナ禍を踏まえた追加提言~」を森田知事に手交いたしました。

当日は、感染防止の観点から、報道関係者等は入れずに非公開で行われましたが、手交式前日の7月27日(月)、経済記者クラブにて、水野副代表幹事より、新聞・テレビの記者に対する事前レクチャーを実施しております。

皆様のご理解の一助となりますよう、主なQ&Aを掲載いたしますので、追加提言とあわせてご一読ください。

Q

スピード感を持って具体的に推進するとの事だが、課題が多くある中最も推進していきたいことは何か?

A

昨年の台風の際には必要な情報が企業や住民に届かなかったほか、必要な情報すべてを県や自治体側が持っている訳ではないということが明らかになった。必要な情報がどこにあり、どのように発信していけば迅速に届くのかといったことを明らかにしたい。そのうえでボランティアなど、災害対策に向け協働可能な先と連携するなど、複数の当事者の知恵を集めながら進めていきたい。

それから、東京への一極集中是正のため、これから千葉の経済をどのように発展させていくのか、地域割りや方向性についての議論を早目に進めていきたい。

これら2点について、スピード感を持って進めるとともに、国や県、自治体へ要望する部分については引き続きお願いしていく。

Q

前段のところは各自治体と地元企業との情報共有を進めるという理解でよいか?

A

どのような情報をどのように受け渡しすればいいのかということである。企業の側は災害がどのように襲って来ていて、今後どうなるのか、より自らの立地に即して知りたいとか、停電がいつ、どのように復旧するのか早く正確な情報が欲しいということがニーズとしてある。これらについては自治体でカバーできる部分もあれば、例えば電力会社による情報発信や情報アクセスが必要な場合もある。加えて、今は民間の気象情報会社もあるので、個別の企業がそのような先と契約を結んでおき、自分の企業にとって必要な情報を得ることが効率的な場合もある。以上のような内容について、課題と解決策を示しながら検討していく。

また、どこの道路が不通で、どこの堤防が決壊しそうだなどといった情報は、これだけ技術が進んでいるので、映像で管理できるのではないかといった議論もある。このような情報も新たなサービスとして提供できないかということを話せればよいと思っている。

Q

一極集中の是正に関して、一番の重点として考えていることは交通網の整備か?

A

インフラの整備のところでは、交通網の整備を引き続き進めていくことが重要である。また、現在進んでいる成田空港のプロジェクトもしっかり進めることが大切である。

Q

交通網の整備とテレワークの推進が両輪というイメージか?

A

今回加わったところで言えばテレワークの話が新しい内容となる。これにより地域としてのポテンシャルが一層発揮できるようになったと思う。

Q

昨年7月に本提言を発表した後、いつ頃から見直し作業を始め、追加提言発刊に至ったのか?

A

台風が終わった後からこういった問題意識を持っていた。

1ページの(注2)に対外公表している資料が掲げてあるが、作業の過程で最初に①大雨・台風被害に関する被害・復旧状況調査を行い、2月に公表した。それを②の提言にまとめて5月に発表、その後コロナの影響調査③を6月に発表するなど、去年の暮れ以降順次作業を進めてきた。なお②の提言は(付1)に掲げてある。

Q

12の課題の見直しの中で、6.の感染症等、は足元ではコロナを想定しているが、30年という長いスパンで見ると、未知なる感染症が今後流行し、パンデミックを引き起こすことも想定したということか?

A

その通りである。特に今回、高齢者にとって非常に厳しい状況となっており、千葉県でも高齢者は増加の一途である。本提言で日本版シリコンバレーと名付けたものについても、そのような感染症への対応も含め考えていくことが将来に資すると思う。

Q

昨年の7月に発表された提言は2013年に続く2回目と認識している。2021年オリンピック開催の詳細が判明し、新型コロナのワクチンや治療法が確立した来年以降、また提言を組みなおす予定はあるか?

A

40周年記念提言を6年前に発刊し、5年後の昨年に45周年記念提言を発刊したが、最初の提言の発刊時にも何年か毎に見直せるとよいと考えていた。このような形の提言として出すのがいいのか、簡単なアンケート結果といった形式で出すのがいいかは別として、もちろん検討していく。

オリンピックについていえば、開催形態が決まった後、千葉県としてオリンピックの成功とは何かという事を再定義する必要がある。今まではチケットの完売、会場の満席、選手の方々が喜んでくれて、地元に経済的利益が落ちるという事が成功であったが、今や会場の満席は望めなくなり、簡素化といわれる中お客様の数も減り、経済的利益があるかどうかもわからない。そのような中でも、開催地として成功と言う為にはどうすればいいのか、どうすれば成功になるのかを考える必要がある。少なくとも来ていただいた方に喜んでいただく事はもちろんである。加えて、長期的に見ると共生社会の実現という事で、特に千葉市の場合はパラスポーツ・車いすスポーツ、一宮はサーフィンの聖地をそれぞれ目指すということがある。そのような部分は大会がどう行われても実現するように、地域として関係者がどういう行動をとっていかなければいけないのか考える必要がある。

また、現在オリンピック・パラリンピックを担当している人・組織も大会終了後には解散してしまうので、ここで積み上げたものをどうやって引き継いでいくかという事も考えていかなければならない。

Q

昨年7月のレクの時点ではIRについて盛り上がっていた時期であり、記者からも質問が相次いだが、同友会としてはまだその火は消さず、千葉に呼びたいという意向を引き続き持っているか。

また、タイムライン上IRの整備の項目は前倒しになっているのか?

A

千葉市としては降りてしまったわけだが、千葉県として見た場合、長期的には外房や南房総などにチャンスがあるし、やれば必ずお客様に喜んでもらえるだろうという所はある。だから火は消さないという事で今回の作業・ロードマップに残してあるが、時期的には後ろ倒しになっている。元々は千葉市がすぐにでもやるという事で直近に置いていたが、千葉市が降りてしまった今、事業会社として手を挙げた会社は残っているものの、すぐにやるというところには至っていない。

今はIRよりも、諸々の課題が発生してしまったので、それらを先に解決しなければならない。

Q

追加提言の結びのページで提言に関する思いを伺った。明日森田知事にお渡しするにあたり、千葉県に対しどのようなことを期待されているか?

A

この提言に沿って、県としてできることは直ちにやっていただけることを期待すると共に、これから我々が関係者を集めてやっていく勉強会等については、一緒に参加していただけることを期待している。

Q

課題の検討体制についてはどのようなイメージを持っているか

A

経済同友会が事務局になり、同友会の会員とか、その他に関心がある経済界の方、加えて大学、自治体など、産官学連携で課題に取り組んでいけるようにしたいと考えている。